ディック・チェイニー 米国副大統領 (2020.09.27) | |
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登録日 : 2020-10-23/ ビュー : 299 |
尊敬する紳士淑女の皆さま、こんにちは。今回の希望前進大会に参加して下さり、感謝申し上げます。いつもそうであったように、天宙平和連合によって、今回も驚くべき貴賓、首脳、そして世界の指導者が、この希望前進大会に集いました。私もまた、招請を受けることができ非常に光栄であり、次回の前進大会では、状況が改善し、全員が同じ場に集い、共に参加できることを願っています。
新型コロナウイルスのパンデミックは、全ての国々を試験台にあげ、ほぼ全ての組織の活動に支障が出る中、天宙平和連合の活動は継続されています。このことは、韓鶴子総裁の活力溢れる献身の現れです。15年前、天宙平和連合が創立されて以降、韓鶴子総裁は様々な指導者と関心ある市民のネットワークを構築し、天宙平和連合を世界から尊敬を受ける善の原動力として育て上げられました。私は数十年間、ワシントン・タイムズを購読した読者として、私は文鮮明・韓鶴子総裁ご夫妻の影響力を深く理解しています。私の知るところによると、ワシントン・タイムズは、ロナルド・レーガン大統領の時代から、全ての大統領たちが定期的に購読する新聞であり、今日においても世界的な尊敬を受ける新聞社であります。
2019年に私がソウルを訪問し、2019ワールドサミットに参加した際、誰しもが今年発生する困難について想像することすらできませんでした。新型コロナウイルスの危機は人々の生活を完全に変えてしまい、今後数十年間、私たちの思考と政策に影響を与える事件となりました。世界の各国の政府は、ウィルスの感染拡大の防止、公衆衛生と経済安定化に集中しなければなりません。しかし、世界の指導者たちが直面している課題は、それに留まりません。世界の安全保障に関する環境を見るとき、それはより明確です。今もなお、著名な世界の指導者たちは、新型コロナウイルスのパンデミックが過ぎ去ることを強く願っています。
安全保障の観点から見たとき、米国の指導部は、太平洋地域との変わることのない強固な連携を維持することの核心的重要性をよく認識しています。90年代、私が国防長官として在職していた当時、そして副大統領在職当時、私はソウルを数度訪問しました。それが、どんなに厳しい旅程でも、信頼できる米国の同盟国であり友好国である大韓民国の地を踏む度に、私の心は高揚しました。
過去40年間、外交政策と安全保障問題を扱いながら、私が得た教訓が一つあります。どのような課題が横たわっていても、自由と民主主義を愛する政府同士の相互協力は、常により良い結果をもたらしてきたということです。また、世界の一部の政権に対しては、どのような幻想も抱いてはならないという事を学びました。私たちがルールを基盤としたシステムの中で誠実に協議し約束を守ったとしても、時期適切な対応を取らない政権も常に存在することでしょう。
重大な課題に対応できる最善の体系とは何か?最近の人類史を調べることによってそれを理解することができます。アジア、ヨーロッパ、中東、または他の地域においても、私たちにとって非常に重要な役割を果たしてきた安全保障は、今もなお絶対的な核心的要素です。「平和と繁栄」を実現するために必要な要素の内、その最上位には、軍事力が来なければなりません。その次に、究極の安全保障、約束を守ることができる能力、行動の自由、利害関係の保護等がその次に挙げられます。軍事技術の側面で、あらゆる分野において私たちを追い越そうとする敵対的な国家が存在するがゆえに、今日、私たちは軍事的な優位性の維持が性急な課題となっているのです。
これと関連したもう一つの安全保障政策の要素は、信頼性です。私は国防長官、そして副大統領としての在任当時、「発言と行動の一貫性が信頼することができる大統領」を代表する立場にありました。外交政策を樹立したり協定を結んだ際には、必ずその政策と約束を守りました。ある行動を取ると誓った際には、それを必ず実行しました。安全保障の分野には、常に未知の要素が存在しますが、大統領の信頼性は絶対に疑いの対象になってはいけません。米国の同盟国や敵対国は、米国大統領は自ら約束した言葉に忠実であることを明確に知る必要があります。
信頼性の次に挙げられる、安全保障政策の核心的要素は、目的の明確性です。核心的な目標を追求する際に、私たちが発揮する集中力と決意、そして献身的な努力は、その結果に大きな影響を及ぼします。一つ分かりやすい例を挙げれば、非核化を含む北朝鮮に関連する核心的な課題があります。私たちは皆、昨年米国と北朝鮮が2回目の首脳会談を準備する際に感じた期待感を憶えていることと思います。そして、この全ての外交的努力が何の成果も生み出さなかったときに感じた失望もまた、私たち皆が共有する経験となりました。
米国側が十分に努力をしなかったことが原因ではありません。これまで常に直面してきた、見慣れた障壁に再度直面したのです。実際のところ、北朝鮮の政権は、その政権独自のアジェンダを持っています。協議によって時間を稼ぎながら、様々な支援を受け、その見返りとして特に意味のないものを相手に与えることがその内の一つです。このように、受け入れがたい現実を受け入れることは、偽りの希望を追い続けることよりも、まだましだというのです。また、どのような努力をもってしても、どのような支援を続けたとしても、私たちの安全保障の目標に絶対的に集中する必要があり、非核化を際して妥協は許されません。
同盟国と同盟国が属する地域における安全保障に関する約束は決して破られることはないということが、常に明確でなければなりません。その多くの理由の内の一つが、私たちを同盟として結びつける共通の価値観があります。このような価値観こそが、人類の存在意義を成しているのです。こうした価値観が、世界大戦以降に米国とその他の強大国との大きな差を作り上げてきたのです。米国と同盟国は、国家の独立、民族の自決権、そして法治社会を基盤とした正義を支持します。このような理想は、全世界のどの文化においても、どのような場所においても共鳴されるように、確実に保護されなければなりません。この価値観はまた、今回の希望前進大会の精神でもあるがゆえに、この前進大会に参加できるよう招請して下さったことを光栄に思っています。
全世界で視聴して下さっている全ての方々の幸運を祈っております。ご清聴感謝致します。