共に荒野を通過する道
ルーテル世界連盟議長、2020鮮鶴平和賞受賞者
ムニブ・ユナン牧師
イエス・キリストの恩賜と、神様の愛と、聖霊の恩寵が永遠に共にあることを祈ります。アーメン。
使徒パウロは「わたしたちは、御霊の助けにより、信仰によって義とされる望みを強くいだいている。」(ガラテヤ人への手紙5章5節)と記しています。
全世界の兄弟姉妹の皆さま、まず最初に、今回の希望前進大会を開催する天宙平和連合と、本連合のトーマス・ウォルシュ議長に深い感謝の意を表します。
そして、この意義深い希望前進大会を主管して下さっている韓鶴子総裁へ心より感謝の意を表したいと思います。
キリスト教における希望の概念は、イエス・キリストの十字架の路程と復活を通して確認することができ、神様の世界へと至る人生を開いてくれます。
キリスト教における希望とは、歴史の紆余曲折の中において、神様が広く臨在されることを示しています。ですので、旧約聖書と新約聖書を見ると、絶望的な状況においても神様の役事を通じて、新たな希望のメッセージを見出すことができます。
宗教改革者マルティン・ルターはこう言いました。「信仰とは、信ずるべき全ての価値を見せる弁証法のようなものであり、希望とは、人が試練に遭遇した際に、神様の御心を掴み離さないよう促し説得する修辞学のようなものだ。」
神様は、私たちが怠惰な姿勢で末日だけを待ち焦がれ、非現実的な終末を想像することを望んでおられません。誤った世界の中で生きていたとしても、神様に対する生きた信仰を維持して下さるようお願いします。神様は私たちがご自身との約束を忘れず、全身全霊を注いで神様を信じ、神様が下さる驚くべき希望の力を通して、私たちの世界を正義、人権、平等、自由,和解、調和と平和が溢れる安息地に変えることを望んでおられます。更に、社会、国家、宗教の指導者と無宗教の人々も含めすべての人が、神様の召命に応え、希望の光となり、この誤った世界に神様の正義とビジョンを実現するために協力し合うことを望んでおられます。
国連創立75周年を記念する今年、私たちは国連が権力層の為の期間ではなく、真理、正義、平等の礎となるよう共に協力し合うべきです。神様は、全世界の全ての宗教及び信仰団体、そして多様な宗教の信徒たちが、人類の尊厳はもちろん、人類の共通の価値である愛、希望、人権、持続可能性を拡大に協力して下さることを願い、私たちをお呼びになっています。
また、神様が創造された森羅万象、特に苦痛を受ける自然環境を正しく管理すること望んでおられます。全世界の国々は、この重大な歴史的な時に、一抹の希望を探し求めています。この希望が顕れることができるよう、私たちが貢献することができるでしょうか?私はいつも次のように語っています。
「人は食料がなくとも3週間は生存でき、水がなくとも3日間は生き延びることができ、空気がなくとも3分は生きていられるが、希望がなければ3秒も耐えられない」と。このような重要な歴史的な時期、絶望の世界の中で希望の原動力とならなければなりません。
祈祷
希望の源泉であられる神様、私たちは、恐怖と絶望の中に生きています。主キリスト、イエス様の復活を通して、絶望の中にある私たちに希望を下さったことに感謝致します。
私たちに、あなたの希望が宿るよう聖霊をお送りください。私たちが正しく成長し、変化し、新しい子女として生まれ変われるよう、聖霊の役事を許諾して下さい。闇を光に、不正を正義に、抑圧を自由に、不安と恐怖の文化を愛と信頼の文化に、憎悪を愛に、宗教紛争を宗教和解に、機会の不平等を機会の均等に、人種差別を超えて性別、人種、皮膚の色、政治的信念、宗教的信念を乗り越え、互いに神様の姿に似た子女として見つめ合えるよう、聖霊の役事を許諾して下さい。
絶望的な状況の中で、希望の原動力とならしめてください。聖霊の恩賜を受け、使徒パウロと共に次の祈祷を捧げられるようにして下さい。「どうか、望みの神が、あなたがたを信仰によるすべての喜びと平和をもって満たし、聖霊の力によって望みにあふれさせて下さいますように。」(ローマ人への手紙15章13節)
アーメン。
神様の祝福が皆さまと共にあり、変化の原動力となって下さることを願います。アーメン。